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リョナラー連合主催バトルロワイアル(パロロワ) 038.喪失の哀しみ

金色の髪と服に白い肌を持つ小さな少女……
光の精霊ウィスプのマシロは森の中を飛び回っていた。

マシロは先ほど別れた闇の精霊シェイドのヤミナデを
探していたのだ。

ヤミナデはマシロに言った。
自分たちの主人にして親友であるアイシスを守れ、と。

確かにアイシスのことは心配だ。
しかし、それでもマシロはアイシスのために
殺し合いに乗ったというヤミナデのことを
放っておくことができなかったのだ。

(早く……!ヤミナデが誰かを襲う前に止めなきゃ……!)

マシロは必死でヤミナデを探していた。
そして、しばらくすると森を抜けた。

素早く周りに視線を走らせるが、ヤミナデの姿は無い。
しかし、目の前には大きな城のような建物が立っているのが見えた。

(もしかしたら、あそこにヤミナデがいるかも……!)

そう思ったマシロは急いでその建物へと向かっていく。
しかし、いくらか進んだところで……。

『禁止エリアに侵入しています。
 10秒以内に退去してください。
 9……8……7……』
「……へっ!?ちょっ……!?」

いきなり首輪から聞こえてきた声にびっくりして、マシロは立ち止まる。

「な……何ですか、いきなり……!?
 禁止エリアって……たしか、えっと……!」
『5……4……3……』
「……あっ!思い出したですっ!
 入ったら首輪が爆発……って、ほぎゃああぁぁぁっ!!?」

ようやく首輪の警告の意味に気が付いたマシロは
素っ頓狂な悲鳴を上げて、全速力で来た道を引き返す。

『2……1……』
「ひ……ひぃっ……!?ひやああぁぁぁっ!!?」

首輪のカウントダウンに、涙目になってヘッドスライディングで滑り込むマシロ。
その後しばらく頭を抱えてぶるぶる震えていたが、何も起きないことが分かると
はーっと深く安堵の息を吐く。

「あ……危なかったです……!
 あとちょっとで、末代まで指さして笑われる
 間抜けな死に方をするところでした……!」

無駄な死線を潜ってしまったマシロは、
未だに死の恐怖で身体を震わせていた。

「うぅ……!これも、ヤミナデが殺し合いに乗るなんて
 馬鹿なこと言うせいです……!
 あんちくしょう、今度会ったらぶん殴ってやるです……!」

自分の失敗をヤミナデのせいにして、八つ当たりをするマシロ。
ヤミナデが聞いていたら、『注意散漫なアンタが悪いのよ、馬鹿マシロ』と
冷ややかな声で突っ込みを入れていたことだろう。




「……注意散漫なアンタが悪いのよ、馬鹿マシロ」

そして、ヤミナデは冷ややかな声でマシロに突っ込みを入れていた。

ヤミナデはたまたま遠方にマシロを確認して、
距離はあるものの万が一見つかる可能性を考えて
ダークネスの魔法で夜の闇に溶け込んでいたのだ。

ちなみにヤミナデにはマシロの声は聞き取れないが、
マシロの様子から何となく言っていることは分かる。
あれはヤミナデに八つ当たりしている顔だ、間違いない。

(まったく……いきなり禁止エリアに走り出したときは、
 自分の目を疑ったわよ……本当に馬鹿なんだから……)

ヤミナデは溜息を吐く。
マシロのことだから、きっと禁止エリアのことなど
忘れていたのだろう。

ヤミナデは開始場所が最初から禁止エリアに指定されている
C-3に近いこともあって、気を付けていたというのに。

(やっぱり、あの子には私かアイシスがついていなきゃ駄目ね……。
 お願いだから、早くアイシスと合流しなさいっての……)

先ほど禁止エリアに疾走していくマシロを見たとき、
ヤミナデは不覚にも声を上げて制止しそうになった。
しかし、そうしてはマシロに居場所がバレてしまうし、
どの道マシロも最後には殺さなくてはいけないのだと
自分に言い聞かせ、辛うじて声を抑えたのだ。

(……はぁ……やっぱり、あの子の傍にいちゃ駄目だわ……。
 どうしても、非情になりきれない……)

他の参加者を全て殺してアイシスを生き残らせると決めたヤミナデは、
最初は殺し合いに乗っていないフリをしてマシロと行動しようとも考えたのだ。

二人で行動するということは、それだけでこの場ではアドバンテージとなる。
殺し合いに乗った参加者に対しては有利に立ち回れるし、
殺し合いに乗っていない参加者には信用されやすい。
問答無用に他の参加者を殺すことができなくなる点を考慮に入れても、
十分検討に値する作戦だろう。

しかし、いずれ殺すつもりのマシロといつも通りの態度で
接することができるとは、ヤミナデには思えなかった。
マシロと一緒に行動を続けた場合、マシロがヤミナデの不自然な態度に
気が付き、ヤミナデの思惑に感づいてしまうかもしれない。

それに、ヤミナデにはもう一つ恐れることがあった。
……それは、マシロと行動することで、ヤミナデ自身が
考えを変えてしまうことだった。

三人で主催を倒して帰ろうと言った、マシロの明るい笑顔。
それを見て、殺し合いに乗ってアイシスを生き残らせると
決めたはずのヤミナデの決意が僅かに揺らいだのだ。

だからこそ、ヤミナデはきっぱりと
マシロに殺し合いに乗ると宣言したのだ。

そうすることで、自分の迷いを断ち切るために。

(……さて、いつまでもマシロを見ていても仕方が無いわ。
 それよりも、早く他の場所に移動して参加者を殺さないと)

ヤミナデは地図を確認しながら、行先について考える。

(……ここからなら、人が集まりそうなA-3の町が狙い目ね)

ヤミナデは目的地を決めると、マシロに背を向けて移動し始めた。




ヤミナデが近くにいることなどつゆ知らず、
ようやく先ほどの騒動から落ち着いたマシロは
ふとあることに気が付く。

「……あれ?私の支給品袋、どこですか?」

そう、マシロの手にあったはずの袋がなくなっていたのだ。
マシロはきょろきょろと辺りを見回すが、近くには見当たらない。

「……あっ……!?ま……まさか……!?」

ある可能性に気が付いたマシロは蒼白になって、
先ほどまで自分がいた禁止エリアのほうを見る。

視線の先には、大きな城のような建物。
……そして、その傍に投げ捨てられたように
落ちているマシロの支給品袋。

「あああああぁぁぁぁぁぁっ!!?」

絶望の悲鳴を上げるマシロ。

おそらく首輪の警告の意味に気が付いたとき、
驚いて袋を遠くに投げ捨ててしまったのだろう。

あんなに遠くに投げてしまっては、
10秒以内に取りに行くことは不可能だ。

「うわあぁぁぁん……!踏んだり蹴ったりですぅ……!」

愕然と突っ伏して、マシロは泣き始める。
しかし、いつまでもそうしているわけにはいかない。

「ぐすっ……!こうなったら、意地でも
 ヤミナデを見つけて殺し合いをやめさせるです!」

マシロは涙目のまま、拳を握って改めて友を止める決意をする。

「……それで、ゴハンをちょっとだけ分けてもらうですっ!
 このままじゃ、私は飢え死にしちゃうですっ!」

そして、情けないことを堂々と付け加えるのだった。

「うおおぉぉぉっ!!どこですか、ヤミナデぇぇぇっ!!
 ゴハンよこせですぅぅぅっ!!」

マシロは雄叫びを上げながら、ヤミナデを探し始める。
そんな風に大声を出すと、危険な参加者に見つかるとか、
ヤミナデがいても逃げてしまうとかは、既にマシロの頭からは
綺麗さっぱり吹き飛んでいた。

自棄になった間抜けな精霊の運命や如何に。


【B-3/森/1日目 1:00~】

【マシロ@光の精霊ウィスプ】
[年齢]:不明
[状態]:健康
[武器]:なし
[防具]:なし
[所持品]
・なし
[思考・状況]
1.アイシスを探して守る
2.ヤミナデを止める(ついでに食料を分けてもらう)

※マシロの袋はC-3エリアの主催本拠地の傍(北側)に落ちています。


【ヤミナデ@闇の精霊シェイド】
[年齢]:不明
[状態]:健康
[武器]:なし
[防具]:なし
[所持品]
・ヤミナデの袋
 ・基本支給品一式
 ・(不明の武器・防具・道具)
[思考・状況]
1.アイシス以外の参加者を全て殺す
2.マシロは最後に殺す
3.A-3の町に行き、参加者を探して殺す


『参加者・ジョーカーの現在地』
genzaichi_rowa038.png


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