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リョナラー連合主催バトルロワイアル(パロロワ) 023.町へいこうよ

B-1の森にて。

「あ……」
「お?」
「……っ!」

三人の参加者が鉢合わせた。

三人ともが顔を突き合わせるほどに近づくまで、
お互いの存在に気が付いていなかったらしい。

一人目は、肩までの赤い髪に白い服を着た十代半ばくらいの少女。
鉄の胸当てを身に着けており、クロスボウを両手で構えながら、
警戒した様子で他の二人に視線を向けている。

二人目は、短い茶髪に薄汚れた灰色の服の、十代後半くらいの少女。
片手に釘バットを持ち、頭にハチマキを巻いており、
特に緊張もなく、他の二人を興味深そうに眺めている。

三人目は、宙に浮いている紫髪の小人、夢の精霊バクだ。
その身体には不釣り合いな大きさの杖を抱えており、
服の代わりのように身体に護符を巻き付けている。
こちらはどうすべきか迷うように、他の二人に視線を泳がせていた。

「……あの」

沈黙を破ったのは、一人目の赤い髪の少女だ。

「……貴女たちは、殺し合いをするつもりですか?」

赤い髪の少女の言葉に、二人目の茶髪の少女が聞き返す。

「……そういうアンタはどうなんだい?」
「私は、人を殺すつもりはありません」
「……人は……?なら、精霊はどうなの……?」

赤い髪の少女の答えに、今まで黙っていたバクが口を開く。

「もちろん、精霊も殺すつもりはありません。
 私はこんな殺し合いに屈するつもりはありませんから」

赤い髪の少女はバクのほうを見て、はっきりと答えた。

「…………」

それに対して、バクは沈黙を返す。
どうやら、あまり信用はしていないらしい。

「……それで、貴方たちはどうなんですか?
 まさか、この殺し合いに……」
「待て待て。アタシはこんな馬鹿らしいモンに乗るつもりはないよ」
「……私も、そのつもりはないわ……」

茶髪の少女とバクの返事を聞いて、ようやく赤い髪の少女は安堵する。

「良かった……なら、お互いに情報交換をしませんか?」
「情報交換?……っつっても、始まったばかりで
 交換するような情報なんてあるかい?」

茶髪の少女の疑問に、赤い髪の少女は淀みなく答える。

「まず、自己紹介するだけでもお互いにとって有益です。
 それから、どうやってここに連れてこられたか。
 おそらくほとんどの人が覚えていないとは思いますが、
 知っている人もいるかもしれないので。
 あと、名簿に知っている人がいるかもしれません。
 支給品の交換もできますし、お互いに何ができるかを知れば、
 円滑な協力関係が築けますし……」
「はぁ~、なるほどねぇ。アンタ、頭いいなぁ」

感心する茶髪の少女に、赤い髪の少女は微笑む。
しかし、バクは不満そうな顔で反論する。

「……待ちなさいよ……貴女たちが本当に殺し合いに
 乗ってないか、私には分からないし、信用できないわ……。
 そんな人たちと情報交換なんて……」
「……では、貴女はこれからどうするつもりですか?」

バクの反論に対して、赤い髪の少女は聞き返す。

「ここには、完全に信用できる人なんていませんよ?
 ……ああいえ、もし知り合いがいるなら話は別ですが。
 貴女は、名簿に知り合いの名前はありましたか?」
「……それは……」
「……その様子だといなかったようですね。
 なら、多少の危険は承知で、お互いに歩み寄るべきだと思います。
 私もこの人も、少なくとも問答無用で襲ってくるような輩よりは、
 信用できると思いますが?」
「……分かったわよ……」

赤い髪の少女の説得に、不承不承ながらもバクは折れた。




……そして、数十分後、情報交換は滞りなく終わった。
以下は、それによって得られた情報である。

赤い髪の少女の名はアリル。
アリルは街の治安を守る警備兵だ。
とはいえ、酔っ払いやゴロツキしか相手にしたことがなく、
本格的な戦闘経験はゼロとのことだった。

茶髪の少女の名はイレーナ。
彼女は魔石を作り、それを売ることで生計を立てている魔石職人だ。
しかし、魔石に魔法の力を込めることはできても、
彼女自身は魔法を使えないらしい。

夢の精霊バクの名はレム。
バクは本来は夢の中を住処としている精霊なのだが、
レムはバクにしては珍しく現実側に住んでいたらしい。

この三人の中で、ここにどうやって連れてこられたのかを
覚えている者はおらず、名簿に知り合いがいる者もいなかった。

そして、支給品。
アリルはクロスボウとミスリル製のボルト20本に、鉄の胸当て、
そして視力を一時的に強化する眼力拡大目薬が三つが支給されていた。

イレーナの支給品は、釘バットに頑張り屋のハチマキ、そして炎熱の魔石が二つ。
頑張り屋のハチマキは身に着けることで疲労を感じなくなる魔道具であり、
炎熱の魔石はフレイムシャワーの魔法が込められた魔石だ。

レムの支給品は、第三階位魔術師の杖と攻撃の霊符、
魔力を回復させる飲み薬ネクタルが二つ。
攻撃の霊符は身に着けることで筋力が増す魔道具であり、
レムが身体に服のように巻きつけて使用していた。


「……大体、こんなところでしょうか?」

情報交換が一通り終わった後、アリルが言った。

「……結局、大したことは分からなかったわね……」
「まぁまぁ、いいじゃないか。最初はこんなもんだって」

ぼやくレムをイレーナが笑いながら宥める。
それには目を向けず、アリルは各々の支給品を手に取りながら、
じっと見つめるという行動を繰り返していた。

「……おい、何してんだ、アリル?」
「いえ……一応、おかしなところがないか確認を……」
「……支給品に罠が仕掛けてあるかも、ってこと……?」
「ええ……もっとも、もし罠が仕掛けられていたとしたら、
 見て分かるかは疑問ですけどね」

そして、アリルは確認を終えるとイレーナに視線を向ける。

「……イレーナさん、一つ聞いてもよろしいでしょうか?」
「ん?……ああ」
「貴女は魔石職人だそうですが……
 この場で魔石を作ることは可能ですか?」

アリルの問いに、イレーナは難しい顔をする。

「……できなくはないけど、魔石用の石じゃないと危険だよ。
 例えば、もしそこら辺の適当な石で魔石を作ったとしても、
 暴発するかもしれないし、効果も期待できないぞ」
「……そうですか……」

イレーナの答えに、アリルは肩を落とす。
効果が低いだけならまだしも、暴発のリスクはいただけない。
しかし、そこでレムが口を挟む。

「……ねぇ、もしかして地図にある町にいけば、
 魔石用の石が手に入るんじゃない……?」
「!……なるほど、町なら魔石屋がある可能性がありますし、
 そこに魔石用の石くらいはあるかもしれないですね」
「じゃあ、とりあえずは町を目指して……って、
 そういえば、ここ、どこだ?」
「……B-1だと思うわ……北に城が見えたから……」
「町はA-3ですから、近いしちょうどいいですね。
 町なら他の参加者との接触も期待できますし、
 悪くはないと思います」
「んじゃ、さっそく町に行くとするか」

目的地は決まった。
目指すは、A-3の町だ。

三人はそれぞれの荷物を整えて、町に向かって歩き出すのだった。


【B-1/森/1日目 0:30~】

【アリル@警備兵】
[年齢]:16
[状態]:健康
[武器]:クロスボウ(ミスリルボルト装填済み)、ミスリルボルト×19
[防具]:鉄の胸当て
[所持品]
・アリルの袋
 ・基本支給品一式
 ・眼力拡大目薬×3
[思考・状況]
1.A-3の町で魔石用の石と参加者を探す


【イレーナ@魔石職人】
[年齢]:17
[状態]:健康
[武器]:釘バット
[防具]:頑張り屋のハチマキ
[所持品]
・イレーナの袋
 ・基本支給品一式
 ・炎熱の魔石×2
[思考・状況]
1.A-3の町で魔石用の石を探す


【レム@夢の精霊バク】
[年齢]:不明
[状態]:健康
[武器]:第三階位魔術師の杖
[防具]:攻撃の霊符
[所持品]
・レムの袋
 ・基本支給品一式
 ・ネクタル×2
[思考・状況]
1.A-3の町で魔石用の石を探す


『参加者・ジョーカーの現在地』
genzaichi_rowa023.png


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