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リョナラー連合主催バトルロワイアル(パロロワ) 020.人違い

E-2の平原に、紫色の髪をツインテールにした
青いローブを着た少女が茫然と突っ立っていた。

その少女の名はスラリカ。
冒険者として活動を始めたばかりの新米であり、
まだまだ経験の足りない見習い魔術師だ。

「……こ……殺し合い、って……」

未だに現実が受け止められないのか、
少女は半笑いで表情を引き攣らせている。

しかし、時間が経つにつれて現状を受け入れ始めたのか、
みるみるその顔は青ざめていった。

「……む……無理だよ……!人殺しなんて……!
 そんなの、私には絶対に無理……!」

頭を抱えて、スラリカは震え始める。
しかし、ふと名簿の存在に思い当たり、急いで袋から取り出す。

「も……もしかしたら、ロイ君とかキールさんとかいるかも……!」

冒険者として共に活動している仲間がいるのでは、と
スラリカは一縷の望みにかけて、名簿を確認する。

いなかった。

「……あうぅぅ……!」

がっくりと崩れ落ちるスラリカ。

余談だが、スラリカの仲間は二人とも男性だったので、
女性のみを集めたこの殺し合いには呼ばれなかったのだ。

未練がましく再び名簿の名前を涙目で追っていたスラリカだが、
ふと知った名前をいくつか見つける。

腕の立つ冒険者として最近有名な『双炎』のアルフィとルルフェ。
相棒たる竜と共に戦場を駆る凄腕の傭兵、『竜姫』のナリディ。

(……この人たちなら強いはずだし、悪い噂も聞かないから、
 殺し合いにも乗ってないかも……)

ならば、この三人のいずれかと出会うことができれば
何とかなるかもしれない、とスラリカは考えた。

楽観的な考えだとは、スラリカにも分かっている。
しかし、それくらいしか彼女には判断基準がなかったのだ。

(……よし……それじゃ……)
「あの……」
「ひゃあああぁぁぁぁっ!?」
「ひあああぁぁぁぁぁっ!?」

スラリカは後ろから聞こえてきた声に驚いて思わず悲鳴を上げ、
それを聞いて声をかけてきた人物も驚いて悲鳴を上げる。

その後、混乱した二人が落ち着くまで、近辺には
二人の少女の悲鳴が響き渡ったのだった。




「……ご……ごめんなさい……!
 いきなり悲鳴なんて上げちゃって……!」
「い……いいえ……!私のほうこそ、ごめんなさい……!
 こんな状況で後ろから声なんてかけられたら、
 驚いても仕方ないですよね……!」

数分後、スラリカと声をかけてきた少女はお互いに謝っていた。

スラリカに声をかけてきたのは、スラリカと同じくらいの
短い銀髪に薄い茶色の服を着た褐色の肌の少女だった。

「えっと……それで、貴女はこの殺し合いでどう動くつもりですか?
 もちろん、私は殺し合いなんてするつもりはないです」

落ち着きを取り戻した褐色の少女は、スラリカにそう告げる。

その言葉に、スラリカは安堵する。
スラリカに攻撃することなく声をかけてきた時点で予想はしていたが、
それでもこの褐色の少女が殺し合いに乗っていないか不安だったのだ。

「わ……私も、殺し合いなんてするつもりはないです……」
「……良かった。じゃあ、お互いに自己紹介しましょう。
 私はナリディ。サイギル族の……戦士、です」
「あ、私はスラリカです。冒険者をやってる魔術師で……え?」

自己紹介を返す途中で、スラリカは気が付く。

ナリディ。
探そうと思っていた人物の名前。

それが、目の前の少女。

(……え?いや、でも……こんな子供が……?)

目の前のナリディと名乗る少女はおそらく十代前半、
よくて十代半ばといったところだろう。

しかし、幼くして傭兵として活躍しているという可能性もある。
それに、サイギル族は世界中のあちこちに集落を持ち、
竜と共に暮らしている一族だと聞いたことがある。

もしこの子が『竜姫』ナリディなら、竜を相棒として
傭兵をやっているというのも頷けるというものだ。

「……あの、どうかしましたか?」

ナリディが不思議そうに問いかけてくる。
少し迷ったが、スラリカは本人に直接聞いてみることにした。

「えっと、ナリディって……あの、『竜姫』ナリディのこと?」
「……あ」

スラリカの言葉に、ナリディは少しバツの悪そうな顔をする。

「いや、あの……違うんです……」
「……違う?」

ナリディの言葉に、スラリカは首を傾げる。
それに対して、ナリディは少し言い難そうに答える。

「その……確かに、『竜姫』ナリディは竜を相棒としてますし、
 私は竜と一緒に暮らしているサイギル族ですけど……。
 でも、私と『竜姫』が同じ名前なのは、ただの偶然なんです……」
「あ……そ、そうなんだ……」
「あの……期待させちゃったなら、ごめんなさい……」
「あっ……!い……いや、別に……!
 こっちが勝手に勘違いしただけだから……!」

疑問は晴れた。
割と、がっかりする方向に。

つまり、早々に探そうとしていた人物を見つけられたが、
その人物は人違いだったということだ。

(……まさか、『双炎』の二人も別人だったりとかしないよね……?)

そんな考えが頭に浮かんだが、そうすると曲がりなりにも
行動方針として建てた目指すべき目標がなくなってしまう。

方針が揺らいでしまったスラリカは、参考のために
ナリディの意見を聞いてみることにした。

「……あの……ナリディはこれからどうするかとか、考えてる?」
「あ、はい。名簿を見たんですけど、私と同じサイギル族がいました。
 その人はとても強い戦士なので、まずはその人と合流しようかと……」
「そ、そっか……」

どうやら、ナリディには知り合いがいるらしい。
この殺し合いの場で一人きりでないことを羨ましく感じる。

「あの……私も、一緒に付いていってもいいかな……?」

スラリカは心細さから、そう口にしていた。

「あ……はいっ!むしろ、私からお願いしようと思ってたんですっ!」

ナリディは嬉しそうに頷いて、同行を認めてくれた。
そのことにスラリカは安堵し、ナリディに感謝した。
これで、一人きりでこの殺し合いの場をうろつかなくて済む。

「よ……良かった……えっと、それで、その人はなんて名前なの?」
「あ、はい。その人は……」

スラリカの言葉に、ナリディは笑顔で答える。

「……ココット。私の集落で、一番の実力を持つ戦士です」

誇らしげにその名を答えたナリディには、知る由もない。
その誇るべき同胞の戦士が殺し合いに乗っていることなど。


【E-2/平原/1日目 0:30~】

【スラリカ@魔術師】
[年齢]:14
[状態]:健康
[武器]:なし
[防具]:なし
[所持品]
・スラリカの袋
 ・基本支給品一式
 ・(不明の武器・防具・道具)
[思考・状況]
1.ナリディに付いていく
2.ココットを探す


【ナリディ@サイギル族】
[年齢]:13
[状態]:健康
[武器]:なし
[防具]:なし
[所持品]
・ナリディの袋
 ・基本支給品一式
 ・(不明の武器・防具・道具)
[思考・状況]
1.スラリカと行動する
2.ココットを探す


『参加者・ジョーカーの現在地』
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